大会長挨拶
大会長 内門大丈
この度、第14回日本認知症予防学会学術集会の大会長を拝命いたしました医療法人社団彰耀会メモリーケアクリニック湘南の内門大丈です。2025年9月12日(金)から14日(日)まで、都市センターホテルにおいて開催される本学術集会を担当させていただくことになり、大変光栄に思っております。
本学会は、認知症予防の最前線での研究と臨床の実践を支える学際的な集まりであり、認知症を専門とする医師のみだけでなく、かかりつけ医を含めたすべての診療科の医師、歯科医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師などの医療関係者、介護関係者、行政関係者、地域の多職種のみなさまと協働して、認知症予防という観点から認知症対策を考えていく団体です。また、一次予防、二次予防、三次予防という視点を常に念頭におくことが、地域共生社会の実現に欠かせないと考えています。
2023年には、アルツハイマー病に対する初の疾患修飾薬として抗アミロイドベータ抗体薬が登場し、認知症診療に新たな展開をもたらしました。これにより、認知症予防のアプローチが一層具体化し、実臨床への応用が期待されています。同時に、2023年6月14日に「共生社会の実現を推進するための認知症基本法(通称:認知症基本法)」が成立し、2024年1月1日に施行されました。6月14日は、当学会により制定された認知症予防の日でもあり、まさに予防と共生の両輪を重視していきながら、認知症にかかわる集積されていく新しい知見をいかに活用していくかが今後ますます重要なものとなるでしょう。
このような背景を踏まえ、今年のテーマを「新しい時代の認知症予防と地域共生社会」と定めました。本学術集会の副大会長には、東京慈恵会医科大学名誉教授で栄樹庵診療所院長の繁田雅弘先生、横浜総合病院臨床研究センター長の長田乾先生、帝京大学医学部附属溝口病院脳神経外科教授の中根一先生にご就任いただきました。3人の先生方は、日本認知症予防学会神奈川県支部顧問を務めていただいており、精神科、脳神経内科、脳神経外科の分野で卓越した専門知識をお持ちの認知症スペシャリストです。さらに、神奈川県臨床検査技師会の前常務理事である江成典子先生にも、多職種の代表としてご協力いただいております。本学術集会では、特別講演、教育講演、シンポジウムを通じて、認知症予防と地域での共生に関する最前線の研究や臨床の成果と課題を共有し、多くの議論を交わすことを目指しています。また、参加者の皆様からのご意見やご要望を大いに歓迎し、より有意義で実践的な学会となるよう努めて参ります。
最後に、本学術集会が、認知症の予防と共生に向けた新たな一歩を踏み出す機会となることを心より願っております。皆様のご参加とご協力をお待ち申し上げます。